東京地方裁判所 昭和58年(ワ)12332号 判決
一 被告は、公示送達による適式の呼出を受けたにもかかわらず本件口頭弁論期日に出頭せず、答弁書その他の書面の提出をもしない。
二 証人伊藤幸吉の証言により成立を認める甲第五ないし第八号証及び同証人の証言によると、原告が本件実用新案権及び本件意匠権を有していること、本件考案の構成要件が請求の原因2のとおりに分説され、本件考案は右構成をとることにより、同3のとおりの作用効果を奏すること、本件意匠の構成が同5のとおりであることが認められる。
三 証人植木博の証言により成立が認められる甲第一三号証及び同証人の証言により被告製品であることが認められる検甲第二号証の一並びに証人植木博及び同伊藤幸吉の各証言によると、請求の原因6の事実及び被告製品の構成が同7のとおりに分説されること、被告意匠の構成が同9のとおりであることが認められる。
四 そうすると、本件考案の構成要件AないしJと被告製品の構成aないしjとはいずれも同一であり、したがつてその作用効果も同一であると認められるから、被告製品は本件考案の技術的範囲に属するものと認められ、また、本件意匠の構成イないしニと被告意匠の構成(イ)ないし(ニ)はいずれも同一であり、全体として観察しても両者の意匠は、全く同一であることが認められる。
したがつて、本件実用新案権及び本件意匠権に基づいて、被告製品の製造、譲渡又は譲渡のための展示の差止めを求める原告の請求は理由がある。
五 被告は、本件実用新案権及び本件意匠権の侵害行為をするにつき過失があつたものと推定されるところ、三記載の各証拠によると、昭和五八年二月頃から同年四月二〇日までの間に被告が訴外有限会社小倉商事と共同して製造、販売した被告製品は八万〇四一二個、同年四月二一日から同年八月末までの間訴外植木産業株式会社と共同して製造、販売した被告製品は九万八七二四個であること、本件実用新案権及び本件意匠権の実施に対し原告が通常受けるべき金銭は製品一個当り一一〇円が相当であることが認められ、そうすると、原告は、昭和五八年二月頃から同年四月二〇日までの間に八八四万五三二〇円(80412×110)の、同年四月二一日から同年八月末までの間に一〇八五万九六四〇円(98724×110)の損害を被つたものと認められ、右認定を覆すに足りる証拠はない。
そうすると、右損害賠償金の内金として、昭和五八年二月頃から同年四月二〇日までの間の金五〇〇万円、同年四月二一日から同年八月末までの間の金一〇〇〇万円及び金五〇〇万円についての不法行為後である昭和五八年五月一日以降、一〇〇〇万円についての同じく同年九月一日以降支払済に至るまで民法所定年五分の割合による遅延損害金の支払を求める原告の請求は理由がある。
六 よつて、原告の本訴請求は理由があるから認容する。